証券会社辞めたい!辛い証券営業を克服する対処法

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「証券会社、辞めたい・・・」

大手証券会社に入社してホッとしたのも束の間、あまりの辛さに辞めたいと悩む人も多いでしょう。

辞めたいと思うのは、自分の価値観やありたい姿とギャップがあるからです。

辛さの理由と原因、証券会社を辞めたいと思った時の対処法を解説します。

1. 証券会社を辞めたい5つの理由

就活の時点で「証券会社は、給料は良いけどきつい」という話は聞いていたと思います。

実際の業務はとんでもない激務で、いずれ慣れるどころか、やればやるほど辛い・しんどい・辞めたいという実態。1年過ぎる頃には同期の1~2割が辞めて行き、3年経つ頃には半分位になっていたと語る証券マンも多いです。

証券会社を辞めたい主な5つの理由を挙げましょう。

1-1. 新規開拓営業がきついので辞めたい

新入社員は技術職等の専門職以外は、新規開拓の電話アポや飛込営業をやらされます。

証券会社の新規開拓営業は、訪問先には疎まれ、電話はガチャ切です。朝から晩まで、人から拒絶される日々を1~2年も続ければ、「辞めたい」と思うようになりメンタル不調にもなります。
きついのでこの時期に辞める同期も多いですね。

1-2. 早朝からの長時間労働が辛くて辞めたい

新入社員は先輩社員が出社する前に、支店周辺の掃除や店内清掃をするので7時前には出社です。外回りの訪問から帰ると、夜はテレアポや報告書などの残業で家に帰るのは10時過ぎで体力的にきついです。
その上、頻繁に上司との呑み会に付き合わされるのでしんどいです・・・。

1-3. 過酷なノルマが辛くて辞めたい

証券会社では今月ノルマを達成しても、また新たなノルマが課せられます。それが毎月続き、常に数字を挙げなければ出世もできません。

証券営業の評価は数字が全てで基準が明確とも言えますが、優良顧客の有無や過程などは関係ないです。
顧客利益よりノルマ優先で、手数料稼ぎのために必要ない売買を勧めることもあるので、きついですよね。辛い・辞めたいと思う人は多いでしょう。

1-4. パワハラ体質や上司の叱責が辛くて辞めたい

証券会社は体育会出身の人が多く、上下関係が厳しく時に理不尽なきつい事もあります。
ノルマ未達の時の上司の説教は、パワハラと紙一重です。良い上司もいますが、きつい上司もいます。どんな上司につくかは運次第です。

1-5. コンプライアンス・チェックが厳しくてしんどい

コンプライアンスやトラブル防止のために、証券会社では顧客との通話録音や顧客に渡す資料のチェック、証券業協会の自主規制も多く、営業活動はがんじがらめでしんどいです。
管理強化で営業トークも慎重にならざるを得ず、息詰まるのが辛くて辞めたいと思うでしょう。

2. 証券会社は何故こんなにも辞めたいと思うほど辛いのか?

証券営業が辛い・辞めたいと思うのは、長時間労働や有形無形のパワハラも大きいでしょう。
しかし最大の辛さは、顧客のためになっているのか?という疑問ではないでしょうか。

老後のための退職金や年金から少しずつ貯めた貯金を損させてしまう…
本人の了解の上で売買しているのだから自己責任だ、と言い訳はできます。

しかし、過大なノルマがなかったら、真に顧客のことを考えたら、そんな売買を勧めたでしょうか?結局、多くの証券会社の営業方針や企業体質が会社都合優先で顧客本位ではないからです。

自分の仕事が、社会や人のために役立っていると思えれば、多少の大変さは乗り越えられます。
でも、殆どノルマ達成のための仕事になっているのが現実でしょう。

なぜ証券は、こんなにも辛いのか?きついのか?その答えの一つは、2017年に金融庁が発表した「顧客本位の業務運営に関する原則」に見出すことができます。

金融庁「顧客本位の業務運営に関する7つの原則」
  • 顧客本位の業務運営に関する方針の策定・公表
  • 顧客の最善の利益の追求
  • 利益相反の適切な管理
  • 手数料等の明確化
  • 重要な情報のわかりやすい提供
  • 顧客にふさわしいサービスの提供
  • 従業員に対する適切な動機付けの枠組み等

『金融業者はこうした業務運営が企業文化として定着するよう努めるべきである』とされています。今までは顧客本位でなかったから、改善しろと言っているわけですね。

指針に沿って真の「顧客本位」な業務運営が実現されれば、辞めたいと思う証券マンも減るでしょう。証券会社の変革のスピードと、自分の人生の時間や価値観との兼ね合いになってきますね。

3. 証券会社を辞めたいと思った時の対処法・考え方

証券業界は従来の対面型営業スタイルが圧倒的に多く、その主力の顧客層は高齢者です。

今後、若い世代になるとネット証券への移行が進むでしょう。対面型営業の在り方も変わってきます。辞めたいと思った時は、証券業界の未来と自分の市場価値をいかに高めるかを見据えて考えることが大切です。

ここでは証券を辞めたいと思った時、証券会社から転職するか悩んだ時の対処法を原因別に解説します。

3-1. 新規開拓営業がきついので辞めたい

証券会社の新規開拓営業がきついという理由で辞めたい人は非常に多いです。
最初から契約を取ろうとすると、相手は警戒してしまいます。初めは挨拶するだけ、名刺を置くだけ、と訪問を重ねて行って相手のガードが柔らかくなったら相手の話を引き出すというように、徐々に信頼を築いていけると新規開拓の辛さも減るでしょう。

「今まで振り向きもされなかったけど、大変だねと声を掛けてくれた」というようになれば大きな進歩です。

最初は辛いですが、新規開拓は“物怖じせずに営業をかける”という営業メンタルを鍛えます。
営業マンとしてやっていくなら一度は必要な経験でしょう。2~3年もすると新規開拓は減ります。

新規開拓で培った営業スキルは、他業界でも通用します。
どうしても辛ければ転職も選択肢です。ルート営業や反響営業は新規開拓は殆どありません。

3-2. 長時間労働や飲み会の付合いが辛いとき

最近は労基署のチェックが厳しく、以前より残業は改善されているでしょう。

残業でも自分の成長につながる残業と、時間の無駄という残業があります。無駄な残業は、働き方改革という錦の御旗があります。辞めたいと思ったらとりあえず正論で押し切るのが一番です。

とは言っても、上司の飲み会の誘いは断りにくいものですね。証券会社では必須資格や推奨資格が沢山あります。「〇〇資格の勉強があるので失礼します」という口実は角が立たず上司も認めやすいでしょう。

企業文化との軋轢はあるかもしれませんが、自分の市場価値向上や勉強のために時間を使う方が人生の選択肢は広がります。

証券会社は早朝出勤が多く、睡眠負債が蓄積されやすいです。長時間労働が改善されないようできつい時は、まず会社の人事部などに相談しましょう。

3-3. 過酷なノルマが辛い

ノルマ未達で叱責されると、自分がダメ人間のように思えてしまい、辞めたいと思いますよね。
ノルマ(成績)と人格を分けて考えることです。ノルマはあくまでも仕事の目標です。
目標に達しない原因と、問題解決の方法を考えることが大切です。

「顧客本位の業務運営に関する方針」が策定されていれば、それに則って問題解決の方法を考えるのが王道です。顧客利益と会社利益の接点を探してみましょう。

上司にアドバイスを求めるのも方法です。上司の力量や考え方がわかります。
顧客本位の営業活動を懸命にやってもノルマ達成できないのであれば、営業方針やノルマ設定の問題です。

これからの証券営業は、顧客の資産コンシェルジュ的な方向に向かうでしょう。精神論やお願い営業では、証券業界の中で生き残るのは難しくなります。

顧客利益に反する無謀なノルマを押し付けるやり方は、いずれ問題を招きます。
改善の見込みが無ければ、転職が選択肢でしょう。

3-4. 上司のパワハラや職場環境が辛い

証券会社は支店や上司によって、雰囲気は随分違います。心身を病む前に、異動願いを出すのも選択肢です。「ノルマを達成できない自分が悪い」と考える方もいるでしょうけれど、人格を否定するような精神的にキツい攻撃は明らかに問題です。

大企業なら社内に相談室を設けている場合もあります。外部のパワハラの相談窓口もあります。
しんどいと思ったら自分で抱え込まないで、信頼できる人や機関に相談してみましょう。

厚生労働省:総合労働相談センター
※各地の労働基準監督署内にあります

3-5. コンプライアンス・チェックや管理強化で息が詰まる

証券会社が行っている通話録音や手続きは、投資家保護というより自社のリスク回避の意味合いが強いです。

しかし金融業界にいる限り、コンプライアンスは避けて通れません。それならば、まずコンプライアンスをしっかり理解して身に付けましょう。理解すると、何が可能で何がNGかが判り、自分の頭で営業トークが組み立てられます。

また優秀な営業マンのやり方を観察したり、相談してみましょう。

会社のコンプライアンス管理部門は、自分の身を守る盾にもなります。辞めたいと思っても、管理される意識ではなく、上手に利用することを考えましょう。

過大ノルマを辞め真の顧客本位を実現することが、一番の投資家保護になるはずです。
自社の「顧客本位の業務運営に関する方針の策定」の行方を見極めましょう。

表面的なコンプライアンス・チェックだけで、本質的な改善に取り組まない状況であれば、転職も選択肢です。

4. 証券会社を辞めたい場合の転職先

証券会社を辞めたいと思う人でも、大きく2つに分けられるでしょう。

  • 証券業界自体を辞めたい人 ⇒ 他業界や他職種への転職
  • 今の職場が嫌で今の会社を辞めたい人 ⇒ 同業他社や、金融業界への転職

それぞれについて、転職先の例を挙げましょう。

4-1. 証券業界や証券営業自体を辞めたい人の転職先

他業界の営業職に転職する道

証券営業からの転職であれば、他業界の営業職は求人も多く転職しやすいでしょう。
但し、証券業界は給与水準が高いので、他業界に転職すると年収ダウンになる場合が多いです。
他業界に転職するなら、20代のうちが良いでしょう。

営業職は、下記のように扱う商材や対象、営業スタイルなどによって色々です。

営業職の種類
  • 商材 ・・・ 有形商材/無形商材
  • 対象 ・・・ 法人営業/個人営業
  • 営業スタイル ・・・ 新規開拓営業/ルート営業/反響営業
  • 報酬 ・・・ 成果型/固定給型/混合型

証券会社から転職する場合は以下のような無形商材の営業職は相性が良いでしょう。

他業界の営業職の転職先
  • 人材サービス業界の営業
  • WEB広告業界の営業
  • 情報通信サービスの営業
  • アウトソーシングや業務代行サービスの営業
  • 物流システム関連の営業
  • 不動産業界(仲介やリフォームや設備)の営業
  • 教育システムや研修サービスの営業
  • 業務用の設備や用品の営業
  • 医療機器の営業

営業職以外の職種に転職する道

営業職以外のホワイトカラー系の職種は人余り分野なので求人倍率は低いです。
25歳前後ならば第二新卒枠での転職は十分可能で、20代後半であっても未経験での転職枠は企業によっては存在しますが、30代以降で全くの未経験職種への転職はやや厳しいでしょう。

営業職以外の職種でおすすめの転職先
  • コンサルティング業務
  • 中小企業の経営企画職
  • 教育産業の運営管理など
  • 商工会議所の経営支援などを行う職員
  • 公務員採用試験を受験して、地方自治体の職員

転職先については「証券会社から転職!証券マンの転職先と転職を成功させるポイント集」で詳しく解説しています。

4-2. 証券営業の経験が活かせる、証券業界や金融業界の転職先

30代以上ならば、同業他社への転職は第一の選択肢でしょう。
中小の証券会社は転勤や異動が少なく、長期的に顧客との信頼関係を築けるのがメリットです。
金融業界は証券業界と親和性が高く、資格なども活かせます。

証券・金融業界への転職
  • 大手証券会社から中小証券会社の営業
  • プライベートバンキング業務を展開する企業や信託銀行等の営業
  • 保険会社やリース・ファイナンス会社、外資系金融など
  • IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)として、FIA企業(金融仲介業者)に転職

(※)IFA(金融仲介業者)・・・特定の金融機関から独立した中立的な立場で、資産運用のアドバイスや金融商品の仲介を行う。IFAは、複数の金融機関と業務提携を結び投資家にとって適切な金融商品や運用を提案する。

IFAという働き方も証券営業の転職先として注目されています。
証券の経験が活かせて、顧客本位の資産運用アドバイスが可能です。辛いノルマもなく顧客との信頼関係が築けて仕事のやりがいもあります。

証券会社からの転職先については「証券会社から転職!証券マンの転職先と転職を成功させるポイント集」で詳しく解説しています。

5. 証券会社を辞めたい時、まずは「相談相手を持つこと」と「視野を広げてみること」

ありたい姿と現在のギャップを解消するために、どんな方法が良いか?
証券会社を辞めたいと思っても、10年後をイメージしながら広い視野で考えることが大切です。

30歳過ぎの場合は転職するなら少しでも早い方が良いので、時間も勿体ないです。
転職する・しないに関わらず、問題改善の行動を起こすと気持ちも軽くなります。
迷ったら、とにかく一歩踏み出してみましょう。

証券会社からの転職を考える場合、在職中に内定を得てから退職することです。収入が多いほど無職の期間は、税金や社会保険料の負担が大きいです。失業給付も受給できるのは、離職から3か月後なので注意しましょう。

しかし証券マンは忙しくて、在職中は転職活動もままならないでしょう。
まずは転職エージェントに相談をしてみること、転職サイトで視野を広げるところから始めてみましょう。

5-1. 転職エージェントを活用すること

転職エージェントに登録すると、専任のアドバイザーが付き、経歴や希望にマッチした求人案件を紹介してくれます。

応募書類や面接対策など転職全般に関わるサポート、面接の日程調整や入社日などの相談も可能です。非公開求人は転職エージェント経由の募集が多いですし、応募先の社内情報なども聞けるのでぜひ利用しましょう。

証券会社からの転職でおすすめの転職エージェント

担当者によって経験の差や相性などもありますから、複数の転職エージェントに登録するのが良いでしょう。
アドバイスを参考にして、転職するかどうかは最終的には自分の判断で決めることです。

5-2. 転職サイトで情報収集する

転職サイトは、担当者は付かず、自分で求人情報を検索してサイトから応募します。
マイペースで気軽に転職情報をチェックできるのがメリットです。

転職するか迷っている場合でも「とりあえず登録して求人を見てみる」のと「転職診断サービスを使ってみる」のはおすすめです。

国内大手の転職サイト
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  • doda業界No2のパーソナル運営。スカウト機能や転職フェアが非常に充実しています。

転職サイトの中でも若年層向けやハイキャリア向けなど対象ごとに展開しているサイトもあります。金融求人に特化したサイトもあります。

また、ハイクラス人材向けに会員制の転職サイトもあります。一部サービスは有料ですが、年収600万円以上の求人を狙うなら登録すると良いでしょう。

6. 証券会社を辞めてもいい人、辞めない方がいい人

大手証券会社の勤務経験は、転職市場でも評価が高いです。
しかし評価が高いのは若年層であり、30代以上になると年収を維持できる転職先は少ないです。
証券会社を辞めてもいい人、辞めない方がいい人を挙げてみましょう。

6-1. 証券会社を辞めてもいい人

  • 20代で3年程度は勤続している人
  • 自分の価値観と会社の文化や営業方針が合わない人
  • 転職の目的や、自分のキャリアや人生のビジョンが描けている人
  • 証券会社でM&Aやディーラー業務、アナリストなどの専門スキルを持っている人
  • 追いつめられて、これ以上いると病気になりそうな人

6-2. 証券会社を辞めない方がいい人

  • 1年未満の短期離職になる人
  • 年収を絶対に下げたくない人
  • 30代以上の家庭のある人で、家族の理解が得られない人
  • 転職先で働くイメージや将来のキャリア展望が持てない人

転職はリスクも伴います。今、証券を辞めたいと思っている自分の問題が転職によって改善されるのか?を慎重に考えましょう。

まずは転職エージェントや転職サイトで自分の市場価値や強みを把握するところから始めてみるのが良いでしょう。

証券会社からの転職でおすすめの転職エージェント
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7. まとめ

証券会社を辞めたいと思う理由は一つではなく色々でしょう。
証券会社に入社した理由もあるはずです。

入社の動機・理由と、何がどう違ったのか?
その上で、自分はどうしたいのか?

を考えることが大切です。

転職はリスクも伴います。今、証券会社を辞めたいと思っている自分の問題が転職によって改善されるのか?を慎重に考えましょう。

まずは、転職エージェントに相談してみるのも方法です。自分の市場価値もわかるでしょう。

第三者の視点でアドバイスを受けるのは、自分を客観的に見つめる機会となり、今後の仕事人生にとっても良いことです。