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記事更新日:2018年12月17日

薬剤師免許を持っている皆さん、薬剤師を目指している学生さん、
薬剤師免許のいい所って幅広い職業に就けることだと思いませんか?

調剤薬局、病院、製薬会社、治験開発機関はもちろん教育指導者、麻薬取締官、自衛隊の薬剤官、食品会社、化粧品会社に至るまで薬学の知識を活かせるフィールドは様々です。いずれも「人の健康に寄与する」という意味では共通していますよね。

この記事では化粧品会社にスポットをあてて、研究職としての薬剤師の仕事内容、職業事情、転職のコツなどをご紹介します。

なお、化粧品会社に薬剤師として転職するなら、美容業界に強い以下の薬剤師特化転職支援サービスがおすすめです。

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1. 化粧品会社の薬剤師の仕事内容

一見、化粧品会社は医療とは少し離れている業界のように思えるかもしれませんが製薬会社がプロデュースする化粧品ブランドも数多くあり、医薬品技術を活かした化粧品は人気があります。

では化粧品会社の研究職とは、どのような仕事をしてどのように薬剤師のスキルを活かせるのかご紹介しましょう。

化粧品会社の研究職は企業によっても違いますが大きく、「基礎研究」「商品開発」「機能性・安定性評価」の3つの仕事に分けることができます。

また研究とは少し離れてしまいますがパッケージの表示原稿やパンフレットの内容を確認する薬事関係の部署も薬事法の知識が必要であり多くの薬剤師が活躍しています。

1-1. 基礎研究の仕事内容

基礎研究では化粧品の新規有効成分を研究したり、高機能な新素材の開発に取り組みます。スキンケア用品は特に効果が求められます。化粧品の有効成分は医薬品として使われているものなので薬の知識が生かせます。

また、大学の研究室や皮膚科のドクターと共同研究も行います。肌の細胞を使って老化に関わる遺伝子を特定したり、幹細胞を使用して皮膚幹細胞へアプローチする理論や成分を確立したりします。研究成果の学会発表も研究員の大きな仕事です。

化粧品会社の基礎研究では、医療分野の技術なども取り入れるため、高度な研究に携わることができます。

1-2. 商品開発の仕事内容

商品開発の主な仕事内容は“化粧品の処方開発”です。
化粧品をつくるのは料理をつくるのと似たところがあります。処方開発は“お料理のレシピ開発”と考えたらイメージしやすいのではないかと思います。

企画部から「こんな使用感のクリームを開発してほしい」と依頼がきたらまず、企画に沿った使用感を実現するための原料を選んで処方を組んでいきます。

作り方を考えることも処方開発者の仕事です。仕上がりや安定性を考慮してどの温度でどの原料を加え、どのタイミングで撹拌して乳化する、など綿密に設計する必要があります。

化粧品の成分の中には医薬品として使用されているものもあります。原料を選ぶ際は原料の構造式も考慮しながら、相性のよい成分を選ばなければなりません。
皮膚の構造、化粧品が働くメカニズムを考える上でも薬学の知識は非常に役に立ってきます。

1-3. 機能性評価・安全性評価の仕事内容

数年前、大手化粧品メーカーが開発した医薬部外品有効成分を含んだ美白化粧品に皮膚障害の被害がでていることが発覚したのを覚えていますか。

前述した通り、化粧品の中には医薬品として使われている成分が含まれています。皮膚は臓器です。効果も期待できる分、安全性には十分注意しなければなりません。

安全性評価では、皮膚細胞を使ってダメージや変化がないかを調べます。発売する前に製品は必ずモニター試験を実施し肌トラブルや異常を引き起こさないか確認します。

「なんとなく効いている」ではなく、「どのようなメカニズムで肌に働きかけているのか」をきちんと解明するのが機能性評価です。製品に付加価値を付けることも大きな仕事の一つです。

2.化粧品会社の薬剤師の労働環境は?

化粧品会社の薬剤師の労働環境についてご説明したいと思います。

2-1. 労働時間

労働時間は会社によって変わってくるかと思いますが基本的には平日8時間労働で土日祝日休みが一般的です。
大きなトラブルや出張、週末にしかできない調査などを除けば基本的に土日出勤はありません。

2-2. 給与

学部卒と修士卒で給与が異なります。
修士卒でも初任給は年収350~400万円程度で調剤薬局の薬剤師と変わりません。しかし調剤薬局の薬剤師は昇給が少ないのに比べて大手企業の研究職であれば昇給は期待できます。

また、会社によっては薬剤師手当をつけてくれるところもあります。

2-3. 休暇の取得

自分で仕事の予定を立てられるので有給休暇も取りやすい環境です。
また、女性が多く働いているので産休・育休も取得しやすいです。

3. やりがい・メリット・デメリットは?

化粧品会社ならではやりがい、メリット・デメリットをご紹介しましょう。

3-1. やりがい

これは何といっても自分が携わった商品が世に出たときが一番やりがいを感じます。

製薬会社の研究や治験を担当した医薬品の場合、自分が携わった医薬品が世に出るには非常に時間もかかりますし、残念ながら途中で中止になることも多いです。それに比べて化粧品の場合はかなりの確率で自分が携わった商品が売り出されます。

3-2. メリット

学会や原料メーカーさんから最新の美容情報が入手できます。そしてそれをすぐに試すことも可能です。

また、化粧品にお金をかける必要はほとんどありません。

自分の試作品を試さなければならない上に、自分の担当以外にも安全性評価や使用感評価で開発中の商品を使用します。加えて自社商品だけではなく他社商品の調査もするので顔が一つでは足りないくらい化粧品で溢れかえります。コスメマニアにはたまりませんよね。

また、自社商品を社員価格で安く買えたり、もらえることもあります。男性の方は家族や恋人へプレゼントができますよね。

3-3. デメリット

場所が限定されてしまうことです。たいていの会社では研究所は1ケ所、多くても2ケ所ではないでしょうか。

結婚して引っ越さなければならない場合、大手調剤薬局の場合は違う店舗に異動も可能ですが研究職の場合は簡単にはいきません。旦那さんの転勤などで退社を余儀なくされることは少なくありません。

4. 化粧品会社薬剤師への就職・転職方法

さて、それではどのようにすれば薬剤師は化粧品会社の研究職に就くことができるのでしょうか。

4-1. 求人の選び方

まず学位についてです。薬学部が4年制だった時代は、大学院へ進学して修士の学位をとらなければ、そもそも受けられる研究職の数自体が少なかったのですが、今は変わってきました。6年制の薬学部を卒業しても学士ですが、企業によっては修士とみなしてくれるところもあるようです。

しかしやはり、修士の学位を取得した方が研究職に就ける確率は上がるでしょう。

未経験で化粧品の研究職に就けるのは新卒の時のみと考えておいた方が良いです。会社を選ぶ際は、研究所がどのような仕事をしているかきちんと調べましょう。

有名な商品を販売している化粧品会社でも、自社で研究しているところは実は少ないのです。研究開発部とそれらしい名前がついていても実際には外部に受注して開発してもらっている、という会社も多いのです。

逆にいうと有名な会社ではなくても、大手化粧品メーカーから開発を依頼されて下請けしているOEMメーカー(受託製造会社)も数多く存在します。大手化粧品メーカーの研究職は倍率も高いので、難しい場合はこのようなOEMメーカーを探すと良いでしょう。そこでキャリアを積めば大手企業に転職も可能です。

4-2. 求められる人物像

研究職はコツコツ根気強く取り組む姿勢が求められます。努力を惜しまない性格、粘り強い性格などをアピールすると良いでしょう。研究職は個人プレイなイメージがあるかもしれませんが、他部署との連携も多くコミュニケーション能力は不可欠です。

さらにもう一つ、何か新しいモノを生み出す際、クリエイティブな能力は必須です。

研究ではアイディアやひらめきが大きな結果を生むことがあります。そこで常に“感性を磨く”ことを心がけるようにしてください。芸術や音楽など色々なことに興味を持ち、幅広い世代の友人や外国人などと交流してみることも感性を磨くことにつながるでしょう。

もちろん化粧品会社を志望する理由も大切です。「コスメがとにかく好き」という理由や「化粧品を通じてアンチエイジングに貢献したい」など製薬会社ではなく、なぜ化粧品なのかということもよく考えておきましょう。

4-3. 薬剤師に特化した転職エージェントを活用すること

薬剤師が化粧品会社に転職するのは狭き門です。
まずは企業の情報を広く収集し、応募先を絞って内情を集めていく必要があります。

薬剤師に特化した転職エージェントを活用することで、非公開求人の紹介、企業の内情の提供、書類添削・面接対策のアドバイス、年収交渉などを無料でサポートしてくれます。

おすすめの転職エージェントは、薬剤師の求人数で圧倒的な規模を誇る「薬キャリ」と、人材業界最大手のリクルートが運営する「リクナビ薬剤師」の2つです。

5. 薬剤師の就職先の動向

厚生労働省が平成27年12月に「平成26年12月31日現在の医師・歯科医師・薬剤師についての調査の概況」を発表しました。
その中で、75%の薬剤師は薬局か病院などの医療施設で働いていることが分かりました。

さらに、この薬局か医療施設で従事する薬剤師の数は増加傾向にあります。

業務の種別にみた薬剤師数

表15 施設・業務の種別にみた薬剤師数”を元にグラフを作成

多くの選択肢があるにも関わらずほとんどの薬剤師は薬局か病院薬剤師の道を選んでいるということになりますよね。
この背景には薬学部が6年制になったことで、大学院へ進学する学生が減り研究職を目指す人数が減っていることも考えられます。

しかし薬学教育が6年制に変わると同時に薬学部の数が大幅に増え、今後薬剤師は過剰になる時代がくるといわれています。

下記表は同じ「平成26年12月31日現在の医師・歯科医師・薬剤師についての調査の概況」に表示されている薬剤師の総数を示した資料です。薬剤師の総数は増え続けており、昭和63年と平成26年を比較すると薬剤師の総数はなんと2倍以上に増えていることが分かります。

薬剤師数の年次推移より

(出典元:同報告書 薬剤師数の年次推移より)

さらにIT技術やAI(人工知能)技術の進歩で今後調剤業務などの仕事が機械に奪われる可能性があります。その中で生き残りをかけていくには、より多くの知識・技術を身につけることが必要になってくるでしょう。

薬のプロフェッショナルである薬剤師として調剤薬局、病院でキャリアを全うすることはすばらしい選択ですが、薬学・薬剤師の知識を他の分野に活かして活躍の場を広げることも薬剤師のキャリア育成の選択の1つとして良いのではないでしょうか。

まとめ

いかがでしたか。

薬剤師の免許を取得しても、そこからどのようにキャリアを形成していくかは人それぞれです。今後、売り手市場と言われていた薬剤師の時代は終わり、厳しい時代がやってくるかもしれません。しかし薬剤師の活躍できる分野は広い、ということを覚えておきましょう。

就職先、転職先を決める際には時代の流れなども考慮しながら、是非広い視野を持って職種を選んでみてください。

 

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