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記事更新日:2018年03月24日

社労士の資格は、毎年数万人が受験し、その合格率は一桁台であるため「難関資格」の1つと言うことができるでしょう。そのためか、受験勉強に何年もの期間を費やしている方が少なからずおられます。
ただ、筆者はこの試験に「半年」の学習期間で1発合格することができましたし、社労士試験自体もちょうど半年位で合格できる試験だと思っています。

そこで、今回の記事では社労士試験の全体像を踏まえつつ、半年で合格するための具体的な勉強法について解説します。

1. 社会保険労務士試験(以下、社労士試験)の全体像

具体的な勉強法をご紹介する前に、まずは社労士試験の全体像について確認していきましょう。

1-1. 社労士試験とは

社労士試験とは昭和43年から年1回実施されており、他の国家試験と比較すると比較的歴史の浅い試験制度であるということができます。この試験に合格することで、社会保険制度や人事労務に精通した専門家である社会保険労務士となるための資格を得ることができます。

1-2. 社労士試験の受験資格

社労士には一定の受験資格が設けられており、実は誰でも受験することが出来る試験ではありません。受験資格は大別すると「学歴」「実務経験」「厚生労働大臣の認めた国家試験合格」の3つに分けられており、このうちいずれかを満たしていれば受験資格を得ることができます。

詳細な受験資格の一覧については社労士試験のオフィシャルサイト「社会保険労務士試験の受験資格」をご確認ください。

1-3. 社労士試験の出題範囲

社労士試験は5つの選択肢から正解肢を選ぶ択一式試験と、問題文中の空欄を語群から選択する選択式試験の2つの形式で実施されており、それぞれの出題範囲(出題科目と出題数)は以下の通りです。

労働科目 択一式試験 選択式試験
労働基準法 7問 3問
労働安全衛生法 3問 2問
労働者災害補償保険法 7問 5問
雇用保険法 7問 5問
労働保険徴収法 6問
労務管理その他労働に関する一般常識 5問 5問
社会保険科目 択一式試験 選択式試験
健康保険法 10問 5問
国民年金法 10問 5問
厚生年金保険法 10問 5問
社会保険に関する一般常識 5問 5問
合計 70問 40問

択一式試験、選択式試験のそれぞれに合格基準点が定められており、上記のいずれかの科目でこの合格基準点を下回ってしまうとその時点で不合格となります。(※特に選択式試験については合格基準点を引き下げる救済措置があります。)

この合格基準点という仕組みがあることからも、社労士試験では苦手科目をなるべく作ってはいけないということがお分かりいただけるのではないかと思います。どんなに各科目の成績が良くても、基準点に達していない科目が1つでもあればその時点で不合格となってしまうのですね。

2. 社労士試験の難易度と合格率

ここでは、社労士試験が他の国家資格と比べてどの程度の難易度なのか、近年の合格率がどの程度で推移しているのかを確認していきましょう。

2-1. 他の国家資格との比較

他の国家試験の合格率(平成27年度)はそれぞれ以下の通りとなります。

2-2. 近年の合格率の推移

では、社労士試験の合格率はどの程度なのでしょうか。
直近5年間の合格率の推移は以下の通りとなります。

これ以前の合格率を見ても、おおむね7〜9%位で推移しているため、他の資格と比較しても合格するためには非常に狭き門であるということができます。なお、試験制度開始以降最低の合格率は平成25年度の5.4%でしたが、昨年度の合格率はこれをさらに大きく下回る2.6%という結果になっています。

しかし、合格率が大幅に下がった年度の次の年度は合格率が高くなる傾向にあるため、今年(平成28年度)の合格率は例年並みかそれ以上となることが予想されます。

3. 社労士試験合格に向けた勉強法・スケジュール管理について

では、ここからは具体的な勉強法について、1日の目安である学習時間やスケジュール管理、効果的な学習のコツなどを中心に解説していきます。

3-1. 社労士試験合格に必要な学習時間

半年で社労士試験に合格するためには、最低でも平日3時間、休日6時間は学習時間を確保する必要があります。半年という短期間で合格を目指すのであれば、どうしてもこの位の学習時間が確保しなければならないのですね。

この学習時間はなかなかハードルの高い水準ではありますが、裏を返せば短期間に集中してこの位の勉強時間を確保できる人であればこそ、合格の可能性は高まるのだということもできます。

これを見て、「そんなに勉強時間は取れないから」などと言って学習期間を1年などの長期にすることが頭に浮かんだ方は要注意です。学習期間は長くなればなるほど大抵途中でダラけてしまうので、そういった方はなかなか合格することが出来ず、結局学習に費やす年数が長引いてしまう傾向があります。

3-2. 学習を始める前の基本的な心構え

社労士試験の学習を進める上で基本となる心構えは「満点を取ろうとしない」ということです。社労士試験の出題範囲は非常に広いため、あまり細部に気を取られすぎていると試験範囲全体をまんべんなく学習する時間がなくなってしまいます。

また、社労士試験は6〜7割得点できれば合格できる試験であるため、そもそも出題範囲全てを理解する必要はありません。出題頻度の低い分野や自らが非常に苦手とする論点については思い切って「捨てる」という選択をすることも短期合格のためには必要な戦術であるといえます。

3-3. 独学の場合の標準的な学習スケジュール

半年間という短期で学習するにあたって、最も重要な要素といえるのがこのスケジュール設定です。何といっても、半年間で社労士試験の試験科目である10科目を全て押さえる必要があるからですね。

ちなみに、筆者の受験生時代は以下のスケジュールで学習を進めていました。

4ヶ月目が終わるまでに、テキストと過去問をざっと1度は全て目を通したという状態に持ってくればOKです。なお、この時点では全く過去問などは解ける必要はありません。

3-4. 独学での効果的な勉強法

■スマホアプリでひたすら過去問演習

学習は机に向かってするだけのものとは限りません。スマホアプリの登場で資格試験の勉強は実はかなり楽になりました。最近だと過去問のアプリがいくつかの会社からリリースされているので、これを使えばこまめに過去問演習ができます。

社労士の資格試験講座でよく言われるのは「本試験までに過去問を3周すること」なのですが、アプリを使えばゲーム感覚でサクサク問題を解き進めることができるため、3周どころか10周ぐらいは余裕で解くことができます。机に座り、テキストを開いて勉強を始めるのと、スマホでアプリをただ起動するだけとでは学習を開始するためのハードルが全く違うので、スマホをうまく活用すれば自分でも驚くぐらいの勉強時間が取れるはずです。

とはいえ、アプリだけだとサクサク解き進め過ぎてしまうので、間違った部分を復習するためにも紙ベースの問題集も必要な教材になります。

■模擬試験は必ず解く

市販のものでも予備校主催のものでもいいので、模擬試験を本番の時間通りに解く、という作業は必ず経験しておくようにしておきましょう。ただでさえ短期合格を目指す場合は、周りのライバルが受験慣れしている方ばかりなので、本番の雰囲気に慣れておくことは重要です。

できれば各科目ごとに何分で解くか時間設定をしておくといいでしょう。
僕は受験生時代、本番では何時何分までに雇用保険法を終わらせる、何時何分にトイレ休憩に立つ、という風に本番当日のタイムテーブル的なものまで作っていました。

4. 独学に当たっておすすめしたいテキスト、過去問、通信講座等

予備校などに通うのと違い、独学は孤独な作業になります。そのため、信頼できるテキストや過去問、通信講座等をしっかり利用できるかどうかも合格に必要な要素になってきます。そこで、ここではおすすめの教材をいくつかご紹介したいと思います。

4-1. おすすめのテキスト、過去問

独学で社労士試験に挑戦する受験生に評判が高いテキスト・過去問には以下のようなものがあります。

・テキスト

U-CANの社労士速習レッスン(ユーキャン社労士試験研究会)
よくわかる社労士 合格テキスト(TAC社会保険労務士講座)

・過去問

U-CANの社労士 過去&予想問題集(ユーキャン社労士試験研究会)
社労士 過去10年本試験問題集(TAC社会保険労務士講座)

ここで重要なのは、テキストや過去問はなるべく同じシリーズのものを活用するのが良いという点です。同シリーズの書籍であればお互いの教材内容がしっかりとリンクしているため、別々のシリーズを使うよりも学習の効率が格段と高くなります。

4-2. おすすめの通信講座

また、通信講座を利用して学習を進める場合には以下の講座がおすすめです。

・ユーキャンの社会保険労務士講座
・クレアールの社会保険労務士通信講座

通信講座のメリットは何よりも大手予備校の講座と比較すると受講料が安価であるということです。一方で通信講座は直接講義を受けるスタイルの予備校と異なり自分で教材を読み進めていく必要がありますから、学習の進捗管理やスケジュール管理を自らで行わなければならないという点に注意が必要です。

まとめ:結局、落ちるのは「怠ける」人

社労士試験に合格するには多少の運も必要なのは事実ですが、1つだけ断言できることがあります。それは、不合格になるということは必ずその人に原因があるということです。そして、その多くは学習時間の不足です。

社労士試験は合格率が1桁台の難関試験ではありますが、合格に向けて本気で学習をしているのはほんの一握りです。正しいノウハウ・適切な学習時間で対策を行えば、半年という短期間であっても充分に合格できる試験であることは間違いありません。

 

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